任意売却の用語解説
競売開始決定通知とは
不動産の競売開始決定通知とは
債権者(抵当権者)が競売を申し立てして、 裁判所がそれを受理したという通知 です。 従って「何月何日に入札です」とか「何月何日に出て行ってください」とかは記載されておりません。
「債権者の誰々が貴方の不動産を競売にかけたので、裁判所はそれを受理しました」という通知です。 多少の誤差は有るとは思いますが、この通知が 届いててから2~3ヶ月はそのまま住めますます。
当然、この通知に対する異議の申立もできます(執行異議の申し立て)。 そして、この段階であれば任意売却も出来ます。
任意売却をするのであれば不動産業者と「専属専任媒介契約書」を取り交わし、「任意売却をするから、競売取り下げて」と債権者に交渉すれば、取り 下げ場合もありますし、競売と同時進行で任意売却を進めて売却を認めてくれる場合もあります。
この通知を受け取ってしまわれたら、任意売却の業者さんへご相談されることをお勧めします。
競売
競売とは
お金を貸した人が、約束通りにお金を返してもらえなくなった貸し金を回収するための法的手続きのことです。 裁判所はお金を貸した人の申し立てにより、その担保の目的となっている不動産を強制的に売却する法的手続きのことです。
不動産の競売とは
銀行などからお金を借りる際に、その銀行などの債権者(抵当権者)に担保として提供した不動産を、その債務の返済を受けられ得なくなっ たときとか、または相続による相続物件の財産分割を行うにあたり裁判所に申立て、それらの物件を裁判所に売ってもらい、その売却代金から債権者が支払いを受けたり、または相続人が代金分割を受ける制度を言います。
競売は一般の売買と違って、国の行う強制処分という性質を持っていて、売り手の役目を裁判官、書記官、執行官が行います。
競売物件と瑕疵担保責任
競売物件には瑕疵担保責任は付きません。 競売は国が売るという建前のためにかし担保は付きません。 また事前に物件の中を確認できません。
競売後の配当
競売で、落札価格が債務より多い場合、裁判所より配当の通知が郵送されて来ます。 そして、出た余剰分の配当を受けることになります。
競売の取消し – 無剰余取消し(民事執行法第63条)
競売不動産の執行裁判所は、剰余を乗じる見込みのない場合の措置として次の各号に該当すると認めてときは、その旨を差押債権者に通知しなくてはなりません。
1) 差押債権者の債権に優先する債権がない場合、不動産の買受可能価格が競売執行の手続費用を下回るとき。
2) 優先債権がある場合、不動産の買受可能価格が手続き費用と優先債権の合計を下回るとき。
2.差押債権者は通知を受けた日から一週間以内に一定の申出及び保証を提供しないときは、執行裁判所は強制競売の手続きを取り消さなければなりません。
ただし、差押債権者が買受けの申出額と買受可能価格との差額に相当する保証の提供などの一定条件を満たす場合は、手続きの取消にはなりません。
競売を申立てられた側が取下げる
民事執行法第39条 – 債務者の申立てによる競売手続の停止
債務者は執行停止文書を裁判所に提出して、競売手続の停止を求めることができます。 執行裁判所がこれを認めると、競売の手続は取消されます。 しかし、これが認められることは極稀なことです。
競売手続の取消し
民事執行法第68条3項 – 競売での売却が困難な場合の競売手続の停止
執行裁判所は、入札又は競売による売却を3回実施させても買受けの申出が無かった場合において、 今後更に売却を実施させても売却の見込がないと認めるときは、 競売の手続を停止することができます。 さらに必要な手続きを経て、競売手続は取消されます。
参考: 民事執行法
競売事件
競売事件
民事事件記録符号規程および刑事事件記録符号規程により、裁判所が処理をしなければならない事案は、全て事件として記録されます。
各裁判所(支部は本庁とは別)は、毎司法年度の当初に、その年度と共に一号からの事件番号を付し)ている。 これによって事件は特定され、同一事件は存在しないこととなっております。
簡易裁判所
イ 和解事件
ロ 督促事件
ハ 通常訴訟事件
手ハ 手形訴訟事件及び小切手訴訟事件
ハツ 飛躍上告受理事件
ニ 再審事件
へ 公示催告事件
ト 保全命令事件
借 借地非訟事件
ノ 民事一般調停事件
ユ 宅地建物調停事件
メ 商事調停事件
交 交通調停事件
公 公害等調停事件
ア 過料事件
キ 共助事件
サ 民事雑事件
地方裁判所
ワ 通常訴訟事件
手ワ 手形訴訟事件及び小切手訴訟事件
フオ 飛躍上告受理事件
カ 再審事件
ヨ 保全命令事件
タ 人事訴訟事件
レ 控訴事件
レツ 上告受理事件
ソ 抗告事件
ソラ 抗告受理事件
チ 民事非訟事件
ヒ 商事非訟事件
借チ 借地非訟事件
シ 罹災都市借地借家臨時処理事件及び接収不動産に関する借地借家臨時処理事件
セ 農事調停事件
ス 鉱害調停事件
リ 事情届に基づいて執行裁判所が実施する配当等手続事件
ヌ 不動産、船舶、航空機、自動車及び建設機械に対する強制執行事件
ル 債権及びその他の財産権に対する強制執行事件
ケ 不動産、船舶、航空機、自動車及び建設機械を目的とする担保権の実行としての競売等事件
ナ 債権及びその他の財産権を目的とする担保権の実行及び行使事件
ヲ 執行雑事件
企 企業担保権実行事件
フ 破産事件
コ 和議事件
ミ 会社更生事件
船 船舶所有者等責任制限事件
油 油濁損害賠償責任制限事件
ホ 過料事件
エ 共助事件
モ 民事雑事件
人 人身保護事件
人モ 人身保護雑事件
高等裁判所
ネ 控訴事件
ネオ 上告受理事件
ラ 抗告事件
ラク 抗告受理事件
ム 再審事件
ツ 上告事件
ツチ 特別上告受理事件
ウ 民事雑事件
人ナ 人身保護事件
人ウ 人身保護雑事件
最高裁判所
オ 上告事件
テ 特別上告事件
ク 抗告事件
ヤ 再審事件
マ 民事雑事件
刑事事件は省略しました。
予納金
不動産の競売事件を申立てる際には下記の予納金を裁判所に納める必要があります。
予納金の額
請求債権額が2,000万円未満…………………………60万円
請求債権額が2,000万円以上5,000万円未満………100万円
請求債権額が5,000万円以上1億円未満……………150万円
請求債権額が1億円以上 ……………………………200万円
組戻し
組戻しとは
組戻しとは簡単にいうとやり直しとか仕切り直しのことです。
銀行での組戻しとは:
銀行で口座番号などを間違えて振込をしてしまった、その振り込んだお金を自分の口座に戻す作業のことも ”組戻し” と言います。 この場合の手数料は結構高いです。
競売での組戻しとは:
入札時に競売手続の取下・取消などがあった場合には、以後入札を受け付けてもらえません。 にもかかわらず取下・取消な どを知らずに、入札保証金を振込んだ場合には、「組み戻し」という手続を経て、保証金を返還してもらうことになります。 具体的には、振込金返還請求書を裁判所に提出します。
代位弁済後の組戻し:
保証会社が代位弁済を行った場合のみに適用されます
代位弁済が行われたら、6ヶ月以内に個人版民事再生の申立てをすることができます。
また、代位弁済が行われてから、6ヶ月以内であれば巻き戻し(組戻し)という方法により、また金融機関が債権者に戻ります。 個人版民事再生の手続きで、住宅資金特別条項を定めることができます。
個人版民事再生の手続きを取って、自宅を守ることができる場合も有ります。
代位弁済が行われてから6ヶ月を経過してしまうと、個人版民事再生の申立てに あたって、住宅資金特別条項を定めることができません。
住宅資金特別条項を定めることができないということは、つまりは 個人版民事再生の手続を行ったとしても、自宅を守ることが出来なくなってしまいます。
なぜ、組戻しを認めるのか?
住宅ローンの保証会社が、代位弁済(保証債務)を行い抵当権を実行し短期間に回収する事業形態と、長期間の回収期間を要する再生手続がそぐわないために、住宅ローンの保証会社を保護するために設けられた制度だからなのです。
強制執行とは
強制執行とは
先ず、強制執行を知るにあたり、債務名義という単語をお復習いしましょう。
債務名義とは、強制執行によって実現されることが予定される請求権の存在・範囲・債権者・債務者を表示した公の文書のことです。
強制執行とは – 裁判で勝訴判決を得たり、相手方との間で裁判上の和解が成立したにもかかわらず相手方がお金を支払ってくれなかったり、明渡しをしてくれなかったりする場合に、判決などの債務名義を得た人(債権者)の申立てに基づいて相手方(債務者)に対する請求権を裁判所が強制的に実現する手続です。
強制執行には執行文が必要となります:
強制執行手続は執行機関としての 機能を持つ地方裁判所(執行裁判所)によって行われます。 つまり、判決を下した裁判所(判決裁判所) とは全く異なる裁判所(執行裁判所)によって強制執行手続が行われるということになります。
しかし、執行裁判所は判決内容に関して正確な情報を有しないため、強制執行を開始するにあたって、 「その判決に従って間違いなく強制執行を行ってもよいのだ」という証明が必要となります。 そしてこの証明にあたるものが “執行文” です。
送達証明書:
強制執行を開始するための主な要件として「債務名義」「執行文」の他に、「送達証明書」が必要となります。
強制執行を開始するためには、債務者に執行の内容を知らせるため、『債務名義又は確定により債務名義と なるべき裁判の正本又は謄本』が、あらかじめ、又は強制執行と同時に、債務者に送達されて いなければなりません。 そしてこれらの送達がなされたことを証明するものが「送達証明書」です。
強制競売とは
強制競売とは
物件に付いている抵当権とは関わりなく、債権者が債務者の返済不履行が生じた場合に、裁判所から判決をとって債務者の財産を差し押え、そしてその物件を競売すことを指します。
事件番号(ヌ)
競売の事件番号には(ケ)、(ヌ)の二つがあります。
(ケ)は任意競売、(ヌ)は強制競売の意味です。両者の手続きは同じです。
不動産の強制競売(強制執行)の流れ
強制競売の申立
当該不動産の所在地を管轄する地方裁判所に対して競売申立てを行います。
訴訟等において債務名義を得た債権者が、債務者の所有する不動産を差し押さえて強制競売を行ことになります。
強制競売開始決定発令および差押登記嘱託
強制競売申立書の審査が終わり、問題が無ければ、裁判所が強制競売の開始決定を債務者に発令します。
また、裁判所はこれとともに法務局に対して差押登記を嘱託し、これにより対象不動産の登記簿には強制競売開始決定を原因とする差押登記が出現します。
競売3点セットの作成
現況調査命令および現況調査報告書の提出
裁判所は、執行官に対して、強制競売の対象となる不動産の現況調査を命じます。 命令を受けた執行官は、対象不動産は現在誰が占有しているのか等を調査した上で、裁判所に対して現況調査報告書を提出します。
評価命令・評価書の提出
裁判所は、不動産鑑定士を評価人として選定し、評価人に対して不動産の評価を命令します。 命令を受けた評価人は、近隣同種の不動産の取引価格、収益等を考慮の上で評価書を作成し、これを裁判所に提出します。
売却基準価額の決定および物件明細書の作成
裁判所は、提出された評価書を基に対象不動産を売却する際の基準となる価格(売却基準価額)を決定し、現況調査報告書の内容も参考にしながら物件明細書を作成します。
債権届出の催促および配当要求終期の公告
裁判所は、売却のために不動産の調査や評価を進める一方で、債権者に対する配当の準備を進めます。
具体的には、先順位の仮差押債権者・担保権者(抵当権者、質権者、先取特権者)及び租税債権を有する官公庁に対して、債権の存否・原因及び金額を裁判所まで届け出るように催告します。 また、配当要求の終期を定め、官報により公告します。
3点セットの公開・入札・代金納付・登記
3点セットが揃うと、裁判所は売却を実施する旨を決め、売却日時や場所を公告するとともに、3点セットを公開します。 入札期間に入ると入札が行われ、開札期日に開札が行われます。
裁判所は、落札者が一定の不許可事由(民事執行法71条)に該当しなければ売却許可決定を発令し、落札者に代金の納付を求めます。
落札者から代金の納付があると、裁判所から法務局に対して、差押登記や担保権の設定登記の抹消と、落札者に対する所有権移転登記の嘱託を行います。 落札者に関する競売手続はこれで終了となります。
裁判所による配当(または弁済金交付)
競落者から代金の納付があると、裁判所は配当期日を定め、配当順位に従った配当表を作成し、これを基に配当を行います。
なお、債権者が一名の場合や、債権者が複数でも全員が全額の弁済を受けられる場合には、配当ではなく弁済金の交付と呼ばれます。
参考: 不動産競売事件(担保不動産競売,強制競売)の申立てについて
求償権とは
求償権(民法459条)とは
民法第459条(委託を受けた保証人の求償権)
連帯保証人または保証人が主たる債務者に代わって貸金等を支払った(返済した)場合には、支払った(返済した)分は後に、主たる債務者に対して返してくれるように請求できる権利です。
住宅ローンに対するローン保証会社の求償権
住宅ローンの返済を出来なくなり、期限の利益を喪失した場合、銀行等の金融機関はローン保証会社に対して代位弁済を請求し、保証会社は債務者に代わってローンを返済することになります。 これにより、住宅ローンの債権や担保物権などは、求償権の範囲でローン保証会社に移転することとなります。
求償権の時効
求償権には消滅時効(ある一定期間権利を行使しなければ、権利そのものが消滅してしまう制度)が有ります。
保証人が主たる債務者に対する求償権の消滅時効は、商行為の保証委託による場合が5年、その他が10年となっている。なお、消滅時効の起算点は、債権者に弁済をするなど免責行為をした時点で、そこから時効が進行することになります。
期間入札
期間入札
裁判所 – 不動産期間入札について
国税庁 – 公売へ参加方法
競売での期間入札とは、地方裁判所が一定の「入札期間を定め」、その期間内に入札を受け付け、別に設定された開札期日に開札を行って最高価買受申出人を決定する方法です。
所有する不動産を担保に住宅ローンや事業資金の融資を受けていた場合で、長期にわたる滞納や返済不能が発生した時に、民事執行法に基づき、その担保不動産を売却して債権回収を行う、いわゆる「抵当権の実行」という法的制度を「期間入札」といいます。
期間入札のタイムスケジュール
1. 物件公告
2. 物件閲覧開始 ※ 「物件公告」から1週間
3. 入札開始 ※「物件閲覧開始」から2週間
4. 保証金納付 最低売却価格(裁判所が提示)の20%
5. 入札締め切り ※「保証金納付」から2週間
6. 開札 ※「入札締め切り」から1週間
7. 売却許可決定公告 ※「開札」から1週間
8. 売却許可決定確定 ※「売却許可決定公告」から1週間
9. 代金納付通知 – 売却決定謄本入手後、約2ヶ月前後で代金納付(執行抗告が無い場合)
10. 代金納付
11. 登記完了
落札に至らなかった物件は、翌日から一ヶ月、特別売却期間となります。
仮差押え
仮差し押さえ と 差押え
仮差押とは
債権者が債権を保全するために行う手段の一つです。
金銭により請求できる債権に係る強制執行を保全するため、債務者の財産の処分を禁止する手続きです。
金銭債権を持つ者が、将来の強制執行ができなくなることを防ぐために、債務者の財産を暫定的に押さえておく手続きです。
将来訴訟で勝訴し、強制執行をしようとしても給付の実現が著しく困難となるおそれがある場合に現状保全を目的として行われます。
地方裁判所の仮差押命令に基づいて行われ、不動産の場合には仮差押の登記または強制管理の方法によるが、強制執行と異なり売却、配当は行われません。
差押えとは
国や自治体、裁判所などの公的機関によって、債務者が財産を処分することを禁止して、競売などによって換金できる状態にしておく手続き(将来の強制執行の保全)のことを指します。
その対象物が不動産の場合は登記簿に記載され、処分禁止の効力が発生します。
裁判所の確定判決など、本差押えができる条件が満たされていない場合に、暫定的に押さえておくのが仮差押えです。
債権者の申し立てと一定の予納金を納めることで実行に移されます。
仮差押さえと差押えの違い
差押えは民事執行法に基づいて、仮差押えは民事保全法に基づいて行われます。
差押えと仮差押えの大きな違いは、差押えでは債権の弁済を受けることができますが仮差押えでは弁済を受けることはできないという点です。
瑕疵担保責任
民法代570条 – かしたんぽ責任
不動産売買契約の物件で、契約の締結当時、既に欠陥・キズ(隠れた瑕疵)があった場合、売主が買主に対して負う責任のこと。 売主が買主に対して負う責任とは、瑕疵の修復をしたり、損害が発生した場合に損害金を支払うこと。 売主が責任を負う期間は、民法566条では、買主が瑕疵を知ってから1年以内としている。
買主が知りえない瑕疵とは、例えば、住宅であれば表面に現れていないシロアリ被害や雨漏りなどはこれに該当する。
また、宅建業法では、売主が不動産会社の場合は、引き渡しの日から2年以上とする特約を除き、民法より不利な特約は結べないことになっています。
競売での物件には瑕疵担保責任を追及できないとなっております。 任意売却の物件は売り主にお金が無い為に瑕疵担保の責任を負わせることは事実上不可能となります。
欠陥と瑕疵とでは違います。
欠陥とは、故意あるいは重大な過失により建物が本来備えるべき安全性に欠いている、契約内容と異なっているなどの意味を示すことが多いようです。
発生する段階としては大まかに契約・設計段階、施工段階にわけられ、発生する理由としては、製品・施工等に対する知識不足、または経費削減等の故意的な理由による、設計あるいは施工の過失があるといえるでしょう。
なお、時間の経過とともに本来の品質や性能が失われる経年劣化(老朽化)は「欠陥」「瑕疵」には含まれません。
瑕疵担保責任保険
住宅瑕疵担保責任保険とは、新築住宅の売主等(建設業者・宅建業者)が、住宅瑕疵担保責任保険法人との間で保険契約を締結し、その住宅に瑕疵が判明した場合、その補修費用等が保険金によりてん補される制度です。
保険への加入にあたっては、住宅の工事中に検査が行われます。
また、売主等が倒産していて補修が行えない場合等は、発注者や買主が住宅瑕疵担保責任保険法人に瑕疵の補修等にかかる費用(保険金)を直接請求することができます。



